2023年度第三回英検準1級について

先般実施されました今年度第三回英検準1級に高1生が合格しましたので、本人の解答をもとに、特にリーディングの語彙問題とライティング問題について所感を書いてみたいと思います。

まず大問1の語彙選択問題ですが、ここだけでリーディング全41問中25問あります。共通テストなどと違い配点はすべて同じですので、41点中25点、実に6割強を占めるわけです。常々英検を受験する生徒には言っていますが、この大問1で10点も取れないようでは、まず一次試験の合格は難しいです。この生徒は15点でしたが、正答できた問題はほぼすべて確信を持って解答できています。準1級の語彙選択問題は、鉛筆を転がして正解できるようなものではありませんので、幅広い知識と運用力が不可欠となります。運用力と書きましたのは、正しい語彙を選択するためには、各問の英文が読み取れること、そして空欄にはどんな意味の語彙が入るかを類推する必要があるからです。生徒には普段から、語彙習得は単語集の丸暗記でなく、英文の中で学習することを強調しています。文脈の中でその単語がどのような意味で使われているのかを意識しながら学習することで、先に書きました運用力が身につくからに他なりません。さらに英検の語彙学習に限って言えば、「語彙問題集」に登場する単語は、正解の単語だけでなく選択肢に登場するすべての単語を覚えていくよう指導しています。これが合格に必要な語彙の幅を広げることにつながります。

さて、ライティングですが、今回のトピックは次のようなものでした。

“Should the government do more to encourage young people to vote in elections?”

本人の解答を再現してもらいましたので、原文のまま以下にご紹介します。

“The number of people who vote in election has been decreasing. I think the government should do more to encourage young people to vote in elections. I have two reasons to support it. To begin with, not only young people but also people of all ages have social responsibility to go to vote. If a lot of people don’t participate in elections, the society itself might corrapse. Especially young people, who create the new society, essential for elections. In addition, we should make degree of trust in politician visible and accurate. If a lot of opinions are gathered, politicians can’t decide politics ignoring people’s opinions and will try to do more effort to get high trust from people. Therefore, I suppose that young people should go to vote in elections.”

私などから見れば全体的に何を言いたいのかはわかるものの、スペルミスや用法の間違いが散見されます。しかしながらスコアは 713 / 750 で95%のできばえでしたので、表現やスペルミスにもう少し注意を払えば満点も狙えたと思います。今後準1級を受験する諸君には、ライティング対策の目安にしてもらえれば、幸いです。

この生徒の一次試験トータルの成績は 1953 / 2250 (合格ライン 1792)で、過去私どもの教室から受験した生徒の中では最高得点でした。また、準1級の二次試験は、これまた相当難関で、2~3回チャレンジすることも珍しくないのですが、一回で合格してくれています(二次まで含めたトータルスコアは 2496 / 3000) 。

これまで高3秋までに準1級合格した塾生のセンター試験(共通テスト)結果は、ほぼ例外なく9割以上でしたが、逆に、準1級の合格率は、共通テスト(センター試験)で9割取れる生徒の約6割という感覚を持っています。それほど難しい試験だということですが、小4で入会しローマ字からスタートした生徒が、高校の早い段階で合格してくれたことを実にうれしく思っています。

※ 当初タイトルを「2024年度第一回英検準1級について」と誤って表記していました。お詫びして訂正いたします。