アウトプット術を身につけさらなる高みを目指そう

日本の中学や高校の英語教育は、大学入試に必要な語彙や文法、読解などを通じて英語の基礎を積み上げていくのが一般的です。しかし、英語におけるSpeaking (意思疎通) やWriting (英作文やエッセイ)、すなわち生徒自身が考える意見や感情を形にする作業に関してはさほど重要視されていないのが現実です。ただ近年では、英検などの資格試験にスピーキングやライティングも導入されており、英語を話す・書く力も同時に必要であることが浸透してきています。

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2022年度大学入学共通テスト結果について(英語)

先般実施された共通テストでは、多くの教科で平均点が昨年より下がったようですが、英語については初年度と試験内容に大きな変更がなかったこともあり、平均点は若干上がるようです。当塾では、今年は共通テストを受けた受験生は少なかったのですが、高2以下の生徒が数名学校その他で同じ問題を解いていますので、その結果も合わせて以下にご紹介しておきます。

さて、今回のリーディング問題とリスニング問題それぞれについて、おおまかに所感を書いてみたいと思います。

まずリーディングですが、やはり初年度からの「速読速解力」を試す流れは踏襲されています。全文を二度読む時間などまったくありませんから、一読して全体の要旨をつかんだ上で、設問に関わる箇所を特定する必要があります。ただ、少しゆっくりめでも内容を頭に刻み込む感じで読み込んでいけば、設問に移ったときに解答に関わる箇所を探す時間を節約できますから、結果的に速く解けることになります。時間を気にするあまり間違っても設問から先に見て該当箇所を問題文から探そうなどとしないことです。この解き方ではほとんどの場合、問題の難度が上がれば上がるほど、よけいに時間がかかってしまうことになります。

次にリスニングですが、こちらも問題構成はほぼ変わらず、第1問~第3問と第4問以降で難易度が急に変わります。しかしながら第3問までは全問正解できるレベルですので、失点しなければそれだけで配点が59あります。第4~6問の正答率が仮に50%としてもトータルで8割近く得点できた計算です。逆に第3問までで得点できていない受験生は、第4問以降で得点することはさらに難しかったはずですから、トータルでの得点も低くならざるをえなかったのではないでしょうか。今後もしばらく全体の構成に大きな変化がないとすれば、来年度の受験生は予想問題集や模試などで、音声が2回流れる第1、2問と、第3問はパーフェクトに解答できることを目指して、まずは短めの音声を確実に聞き取れるところから勉強すべきでしょう。

いずれにしましても、共通テストの英語はリーディング・リスニングともそれほど難解な試験ではありませんから、模試などを通じて問題構成に慣れていくことと、「ていねいに速く読む」「聞いて口に出す」練習を欠かさず行うことで、本番での高得点は十分可能だと考えています。