2024年度大学入学共通テストについて(国語)

当塾の生徒の平均点は153点で最高点が171点でした。

各平均点は評論33 小説32 古文48 漢文39でした。

大手予備校がアナウンスしている通り、かなり易化されたと思います。


評論文は非常に読みやすく、「ここで重要なのは」「何よりも重要なのは」「何といっても極めつきなのが」「非常におもしろいのは」「決定的に重要なのは」など、わかりやすく強調されている文が多く、そのあたりを丁寧に解釈しながら読むことができた受験者は高得点が取れたように思います。


また、共通テスト導入前に実施された試行調査のような問題は、導入後一度も出題されておらず、今回に関しては表や図すら出てきませんでした。現在販売されている問題集等は試行調査のような問題形式の問題集が多く、それらの問題集を中心に勉強していた受験生は苦労したかもしれません。
今後試行調査のような問題が出るかもしれませんが、今のところはセンター試験形式の問題を中心に勉強するほうがより良いように思います。

小説も評論文と同じく、試行調査のような文章ではなく、センター試験と同様の問題が出題されました。
2017年に発表された小説だったので、センター試験を含む過去問と比べても比較的読みやすかったように思います。


小説は、線部に至るまでの状況と登場人物の性格から読み取れる思考を推測できているかを問われる問題がほとんどです。
例えば問3の問題は、イチナの友人の思考を推測する問題です。傍線部Bでイチナの友人は気安い声つまり気楽になっていますが、何故気楽になっているのかが問われています。
まず23行目でイチナがおばの話を話題に出したとき、電話の向こうで素早い沈黙があったとあります。また、おばに電話を代わろうかといったことに対しても拭いきれていない沈黙が交じっているようだったとあります。つまり、友人はおば関することに対してなにか気まずい気持ちを持っていると考えられます。
そしておばと同居していたことを告白した後に気安い声を出しているという流れなので、
おばと同居していたことをイチナにいうことがきまずかった→告白できたことで気楽になったというイチナの友人の思考の流れがあると考えられます。
このように線部に至るまでの状況、会話、行動から総合的に考え、一番可能性の高い選択肢を選ぶようにすると、正答率は上がると思います。

古文と漢文は文章量も短くかなり易しかったように思われます。
特に古文は、当塾の現役生も同日模試を受けた二年生も満点の生徒が多かったです。
古文漢文はどのような問題が出ようが、素早く正確に現代語訳ができれば、基本的に満点を取れる科目だと考えています。もちろんそのためには、正しい文法、語彙を覚える必要がありますが、英語と違って覚える量はかなり少ないので、高得点を取れる可能性は限りなく高い科目だと思われます。

当塾での現代文の指導は、解釈も含め、何故その選択肢が正答になるのかということを理解するまで説明します。古文漢文は一通り文法が終わると、長文問題を受験までひたすら解いてもらっています。その際全ての長文の現代語訳を必ずしてもらい、正確な訳ができるようになるための指導をしています。