高校生留学体験記 part4

「高校生留学体験記」で3回にわたって、日本人には馴染みのないハンガリーの大学事情や学生生活などをご紹介してきましたが、書いた本人がそろそろ大学院の卒業を迎えますので、近況をお伝えしつつ、最終回とさせていただきます。EU圏の大学に進学を考えている方には、過去記事とともに参考にしていただければ、幸いです。

 私のハンガリーでの留学も来年の6月で最後を迎えます。9月から新学期が始まるので、あと一年を切りました。ハンガリーでの学生生活ももう少しで終わりを迎えるのだと思うと、長かったようで一瞬であったとも感じられます。

〜ハンガリーでの生活〜

5年も異国の地で生活していると、やはり生活の面はもう慣れた感があります。現地の人や他の国から来た学生友達との会話もたまに聞き取れない場合があるものの、難なくこなすことができています。また会話以外でも、特にハンガリー人は時間にルーズなところがあるので、それは文化の違いであると開き直って接することにしています。伝えたいことはしっかり伝え、余計な話や無駄であろう質問・言葉遣いはしないように心がけています。これは私なりの手法ですが、トラブルや面倒なことに巻き込まれないように実行しています。

〜学生生活〜

 ハンガリーの大学で勉強し始めてから、今年の9月で5年目となります。ブダペストでの大学院について私の体験談を紹介させていただきます。

 私の通っている大学は、ブダペストにおいて比較的最近創設されました。主に英語でのカリキュラムを提供している学校ですので、ハンガリー人よりも外国人学生が多いです。ビザの取りやすさが売りの国ですので(日本人としては関係ありませんが)、ビザの取得が必須な国々の学生が数多く在籍しており、いろいろな人種の人々との交流も盛んです。

 学士課程の生徒は数多くいますが、私の通う大学院生はまだ少数ですので、講義やセミナーも10人程度で構成されています。教授や講師と密接なコミュニケーションを取れることや、わからないところも気兼ねなく相談できるところは魅力だと思っております。

〜インターンシップ〜

 Part3でも書かせていただきましたが、インターン生としてブダペストの企業のマーケティング部門で働きはじめて9ヶ月となりました。弊社は主に、アプリ開発者向けにCI/CD*と呼ばれるサービスを提供しています。月次収益で米国に次ぐ2番目の市場が日本であるため、インターンでありながらも日々多くのプロジェクトに参加させていただいています。

 最近では、東京への出張に参加する機会がありました。本社から数名のエンジニアが来日し、弊社サービスを既に使用している企業への訪問が主な目的でした。私に課せられたタスクは、企業訪問の際の通訳の仕事でした。

 私は前々から通訳は大変な仕事であることをある程度知っていたので、このような形で本格的に通訳をすることになるとは思ってもいませんでした。失敗しても問題ないと上司からは伝えられていたので、気負いせずに取り組むことができ、間違いだらけではあったものの、何とか無事に終えました。総括すると、私には反省点だらけの企業訪問となってしまいましたが、この歳で貴重な体験をさせていただいたと思えば、素晴らしい機会だったのではないかと感じます。

 9月からは再び、学校と会社を行き来した生活に戻ります。夏休み期間中は徳島からリモートで仕事をさせてもらっていたので、悠々自適な生活を送ることができていました。ブダペストに帰ってからも、大学では卒論や授業、プレゼンなどたくさんの課題があり、一方で大学の授業がない合間を縫って会社にも出勤したりと、楽しみでありながら大変な日々が待ち受けています。学生生活も残り1年ですが、悔いの無いよう、全力で取り組んでいきたいと思います。

*CI/CD・・・Continuous Integration(継続的インテグレーション)/ Continuous Delivery (継続的デリバリー)の頭文字を取った語。アプリ開発におけるある一定のプロセスをすべて自動化し、開発者のタスク時間の削減や仕事の効率化が可能になる。