以前アップしました「高校生留学体験記」へのアクセスが最近多くなっていることと、ちょうどタイミングよく記事の本人が大学院の休みで帰省していることから、その後の様子を書いてもらいました。ご興味のある方はご一読ください。
高校留学から6年が経ち、昨年の3月に無事に大学の卒業式を迎えることができました。
大学在学中、試験やプレゼンなど難しいタスクの連続で何度も四苦八苦しましたが、そういった難しい局面にもひとつひとつ向き合ったからこそ、何事もなく大学卒業を最短でできたんじゃないかなと思います。
大学での最終年、卒業後の進路について非常に悩んでいました。日本に帰って就職活動をするか、もしくは、再度ハンガリーの大学院で興味のある観光学を専攻するという2つの選択肢を最終候補に決め、後者を悩みに悩んで決めました。それにはいくつか個人的な理由があります。
まず一つ目が、自分が社会へ出るために必要な知識不足が挙げられました。海外の大学に通って3年、英語力は格段にレベルアップすることができ、たくさんの専門的な経済・ビジネスに関することを習得することもできました。けれども、海外で仕事をするという究極の目標に到達するにはまだまだ時間が必要だと感じ、もう二年大学院に通いもう一歩先のレベルに行こうと決断しました。
二つ目がハンガリーという国の居心地の良さです。故郷へ帰りたい要素としてホームシックや食事など私自身も経験してきましたが、何年も同じ国に住むとそれは徐々になくなっていきます。そういった困難な局面でも自分に何か一つでも目標があればどこにいても生活できるようになると私は思います。
ハンガリーには他のヨーロッパ諸国には例を見ない、’安全性’があります。政府が移民を断固拒否しているので(EUでは反対意見が相次いでいますが)、それは国の安全性・保護につながるメリットがあります。私は男なのであまり気にしていませんが夜間でも普通に外を出歩くことができますし、外国人同士の喧嘩や暴力沙汰などに遭遇することはめったにありません。油断は禁物ですが、私はヨーロッパに留学・長期滞在するにはハンガリーはもってこいの国だと思います(コスト的にも○)。
昨年の9月から、首都のブダペストにある私立大学院に通っています。レベル的には大学の頃と比べると少し落ちましたが、教授や講師などのサポートがもっと身近になったように感じます。
ある講師の提案で、ブダペストで行われた就職フェアに参加させていただき、そこでいろいろな外資系企業・日系企業のブースにお邪魔することができました。そこでいろいろなジャンルの職業について聞いたり見たりして、「海外での就職」がこの日からより現実的なものになりました。この経験が私を変えることになり、その日以降、インターネットを駆使していろいろな企業のインターンシップ(※1)の仕事を探すことになりました。周りの学生たちが続々と企業で働きはじめていたので、私自身も最適な職場のリサーチを兼ねて、ビジネス向けSNSサイトのLinkedInに自分のプロフィールを載せたり、就職サイトでの募集を探したりしていました。
そして昨年の11月頃に見つけた、ある企業の募集が私の専門にがっちりフィットしていて、すぐに応募をしてみました。するとすぐに連絡が来て、トントン拍子で働けることが決まりました。そこはIT系の企業で、日本市場への拡大のために日本人の人材を探していたそうです。そして今年の1月から、新たなビジネスマンとしての生活が始まりました。
前々から、「日本とハンガリーを結ぶ架け橋になりたい!」という目標が心の隅にありましたが、そのきっかけがこんなにも早く訪れるとは考えていませんでしたので、それが現実となり非常にうれしく思っています。
ハンガリーでは、現地の人々だけでなく世界各国から来ている学生との交流もできるので、それが私の将来への道筋を180度変えてくれた、と感じます。これからもたくさんの困難に立ち向かわないといけませんが、今までどおり何も気負わずひとつひとつのタスクに集中して取り組んでいくと自然に結果も得られるのかなと思います。ご精読ありがとうございました。
・※1・ 海外でのインターンシップというのは、日本と違い数ヶ月間(僕の場合は9ヶ月くらい)働くのが普通です。お給料はもらえるところともらえないところがありますが、私の場合は時給で頂いています。インターンシップ後の選択肢として、そこで正社員になるか、もしくは、新しい仕事を探すことになります。