古文の指導について

当塾での古文の指導について紹介します。

文法が身についていない生徒に対しては長文読解に当たる前に基本的な文法の学習をしてもらいます。そして文法がある程度身についてから、文章問題の解答に併せて問題文を正確に現代語訳する学習に進みます。何故そういうことをするかというと、機械的に助動詞の意味を覚えているだけで、どの意味を使うべきかということを理解していない生徒が多いからです。

例えば助動詞「べし」一つをとってみても、推量、意志、適当、勧誘、・・・と多くの意味を持ちます。これを適した文脈で使い分けることが大事であって、意味を覚えるだけでは何の役にも立ちません。自論ではありますが、意味の名前など覚える必要はなく、文脈や法則性からきちんとした訳をすることができればそれで良いのです。助動詞だけでなく、表記のない主語、助詞、指示語の内容などの説明も一題一題完璧にさせます。それを繰り返すことで、どのような古文の試験でも高得点が取れると考えているからです。

さて、現代文は得意だが古文漢文が苦手だという生徒が多いですが、そのような生徒の共通点は、勉強をほとんどしていないにもかかわらず、現代文では良い点が取れていることです。小さい頃からの読書の習慣など様々な要因が考えられますが、何もせずとも現代文が得意だという生徒です。特に勉強しなくても点が取れるばかりに、古文漢文も国語という括りでとらえ、単語や文法を機械的に暗記すればどうにかなるという思考になっている、あるいは試験での配点割合が低いという理由から勉強を後回しにしているのかもしれません。これではいつまでたっても「得意」と言えるほど点が取れるようには、まずなりません。そのような生徒は、古文漢文は現代文からは全く独立した別の科目と考えて勉強に取り組むべきでしょう。