音読スピードの評価基準~後編

前編で、音読タイムには「読み直し・訂正にかかる時間を含む」と書きましたが、実際に対面で音読させていますと、大幅にタイム超過する生徒に共通点があることがわかってきます。ひとつは、「読めない」単語が多すぎること、つまりは語彙不足です。これについては今までにも再三書いてきましたので、今さらあらためて強調することもないのですが、同学年で同レベルの英文を読ませてみると、その差は明らかです。

ふたつめは、冠詞 the の読み方を出てくるたびに指摘される(自分で気がついて、指摘される前に訂正できる生徒はレベルが高い)、複数の s をたびたび読み飛ばす、同じ単語の読み方を何度も訂正される、など非常に低レベルなところで時間をロスしていることです。このあたりのミスが一向になくならないのは、英語力というよりむしろ集中力・注意力の欠如に大きな原因があると考えています。そのような生徒は、教室で相当な緊張感を持って読んでいる時でさえそうですから、試験で黙読している時など、頭の中でデタラメな読み方をしていることは想像に難くありません。そしてそういう生徒は往々にして点が取れませんので、私の中で辻褄が合うわけです。教室の生徒を見ているかぎり、例外はほぼありません。本来、集中力や注意力というのは、あらゆる教科学習の土台として、幼少の頃から培い備わっているべきものです。この土台が弱いと、英語だけでなく、すべての教科学習に大きな支障をきたします。ということを書き始めますと、タイトルの内容からどんどん離れていきますので、無理やり結論づけますと、そういった生徒に英語学習、特に音読指導を通じて、どこまで土台(集中力や注意力)を強化してやれるか、というのも、私の教室の課題であると思っています。

最後に、音読力とリスニング力の相関についてですが、リスニングできるスピードの限界は、同じ英文を音読できるスピード以下であると考えています。たとえばセンター試験や英検のリスニング問題が140wpm で読み上げられた場合、自分がそのスクリプト(原稿)を100wpm程度のスピードでしか読めなければ、何度聞いても聞き取れるはずがありません。つまりリスニング力を上げるためにリスニングをどれだけ繰り返しても、「その音声と同等以上のスピードで読む」訓練が伴わなければ、効果はほとんど見込めないということです。一方、いくら速く読むと言っても、日本人的な一語一語切って読むような読み方では、どれだけ練習しても早口言葉の域を出ませんし、リスニング力の向上にもつながりにくいのは事実です。ネイティブのような発音を求めるわけではありませんが、ネイティブ独特のリズム、イントネーション、リエゾンやリンキングなどを「マネようとする」意識付けを行う必要はあります。