音読スピードの評価基準~前編

入試や模試、英検で出題される英文は受験生誰にとっても初見、つまり初めて目にする英文です。その初見英文を、内容理解の程度はいったん置いても、いかに速く読めるかが、得点能力と深く関わっていることには、疑いを入れません。教室では、今までも生徒の速読力の養成、そのための音読指導には相当力を入れて取り組んできました。しかし一方、評価基準にあいまいさが残り、感覚的になりがちであったことを反省しまして、対象となる音読素材すべてについて、音読スピードの評価基準を設けました。以下の表をご覧ください。

評価上段:time (seconds)
評価下段:wpm (words per minute)

(中3~高校入試レベルの一部抜粋)

words 評価 S 評価 A 評価 B 評価 C 評価 D
449 150 180 225 269 272
180~ 150~ 120~ 100~ ~99
434 145 174 217 260 263
180~ 150~ 120~ 100~ ~99
444 148 178 222 266 269
180~ 150~ 120~ 100~ ~99
466 155 186 233 280 282
180~ 150~ 120~ 100~ ~99
490 163 196 245 294 297
180~ 150~ 120~ 100~ ~99
454 151 182 227 272 275
180~ 150~ 120~ 100~ ~99
444 148 178 222 266 269
180~ 150~ 120~ 100~ ~99
512 171 205 256 307 310
180~ 150~ 120~ 100~ ~99
464 155 186 232 278 281
180~ 150~ 120~ 100~ ~99
522 174 209 261 313 316
180~ 150~ 120~ 100~ ~99
506 169 202 253 304 307
180~ 150~ 120~ 100~ ~99
516 172 206 258 310 313
180~ 150~ 120~ 100~ ~99
490 163 196 245 294 297
180~ 150~ 120~ 100~ ~99
516 172 206 258 310 313
180~ 150~ 120~ 100~ ~99
505 168 202 253 303 306
180~ 150~ 120~ 100~ ~99

表の左端の数字は読む英文の語数、その右から順に評価ランクS~D(上段:秒数 下段:分速語数)が記入してあります。これが生徒と私との共通の評価軸となります。ちなみにネイティブスピーカーの「黙読」速度は300wpm(分速300語)程度と言われています。黙読は音読の2~2.5倍のスピードと仮定して、これを音読スピードに換算しますと、150wpm~180wpm となります。つまり、評価S~Aは、ネイティブなみのスピードで読める、という一応の判断基準となるわけです。どの生徒にどのランクのスピードを目標に読ませるかは、生徒の現在のレベルによりますが、たいていは、まずBランクのタイムを目指させます。これでも実際は、一回でクリアできる生徒はまだまだ少ない状況です。なぜなら、トータルのタイムには、訂正・読み直しも含まれるからです。ここで、合格基準をどの程度シビアに適用するかは生徒の様子を見ての裁量判断となりますが、時間が超過した原因、次にどうすればクリアできるかを、その都度伝えていますので、それを意識して自宅でも練習し、次にはより速く正確に読めればよいのです。ただしDランクは文句なしにやり直しです。学習中のレベルの教材を100wpm 程度の速さですら読めなければ、後々きつくなることが目に見えているからです。

生徒は、読み直しの回数がタイムにダイレクトに反映されることを実体験しますから、必然的に見落としや誤読がないよう、スピードを意識しながらも丁寧さを心がけるようになります。つまり速さと丁寧さは表裏一体であることを学習するわけです。これが、この速読指導の大きな目的でもあります。一方、自分一人でタイムだけ計って練習しても、訂正や指摘されることがなければ、でたらめな読み方をしても時間内に収まればOKということになってしまいます。事実、どんなに優秀な生徒でも、一か所も訂正されることなく読み通せる生徒は一人もいませんので、自宅で練習する場合でも、その前に対面で正しい読み方を指導してもらうことが絶対に必要です。さらに、スピードも正確さも中途半端なまま問題解法に移るより、速く正しく読めてから開始する方が、速く正確に解けるに決まっています。だからこそ、結果として問題演習がほとんど家庭学習に回ることになっても、教室では読みに時間を割くわけです。

※補足:上記評価基準は、中学生以上の生徒には例外なく適用しますが、小学生の場合は、あまりシビアにならないよう注意しています。(1回目より速く読めればOK、など)