演習問題の指導

昨今の生徒は、2~3の塾に掛け持ちで通っているケースが少なくないですが、当塾でも例にもれず、併塾している生徒がほとんどです。私自身、指導法はかなり研究しているつもりですが、他塾の指導内容については、あまり関心がないため、普段は参考にさせてもらうこともありません。しかしながら、最近複数の保護者から、他に通っている塾で、「問題を解いた後、答え合わせをするだけで解説がない」とか、「間違った箇所のみ教えてくれる」というお話を聞きましたので、当塾での演習問題の指導のしかたについて、少し書いておきたいと思います。

英検などでもそうですが、特にマーク式の正誤問題や内容一致問題などでは、確信がなくても一応解答はできます。試験本番ではそれでもよいのですが、普段の学習で、たまたまでも正解であればそれでよし、に終始していては何の力もつきません。例えば高校生に、早稲田や慶応や上智の正誤問題の難問を解かせてみると、相当優秀な生徒でも、正答数が10問中3問とか5問といったことがよくあります。問題を解き終わって「先生、できました。」と声をかけられると、そこからは対面指導です。1問1問解答を言わせた上で、正答であろうと誤答であろうと、解答の根拠、すなわち誤りを探す問題なら、なぜそれを誤りとして、その場合どのように訂正するのか、まで言わせます。訂正が問題の指示に含まれているかいないかは関係ありません。このように確認していくと、正答であっても、勘で答えたとか、選択の根拠は正しいが訂正が間違っているとか、時制の理解が不十分であるとかが、はっきりとわかります。生徒の状態を把握するには非常に役立ちますので、次回以降の指導に活かせます。が、一方で大きな手間がかかるのも事実です。上記では演習指導の一例をご紹介しましたが、基本的に生徒に解かせる問題は、一から自分で作ったものを除き、すべて事前に解いておかないといけないからです。当塾ではPCにストックしてあるもの、プリントとして保存してあるものを含めますと、膨大な量の問題(素材)があります。しかも新たな教材も次々制作していますので、それらをすべて事前に解いておくことは、ほぼ不可能ですし、その必要もないと考えています。が、最低でも、「何をさせるか」が決まったら、当日渡す予定の宿題分まで含めて、まず自分で解き、生徒が納得できる解説方法も頭に入れておかなければなりません。ちろんすでに解法済みのものもありますから、解くのは自分が未解法の問題に限られますが。一人の生徒に与える問題は一つや二つではない上、採点が難しい英作文や要約、リスニング問題まで多岐に渡りますので、結構時間も労力もかかってしまいます。大げさでなく、一日のうち、指導している時間は5~6時間程度ですが、準備や教材制作に、それ以上の時間はかかっています。なぜここまでするかと言えば、第一は生徒に損をさせたくないから、第二は自分も子を持つ親として、保護者の思いや期待がわかるから,第三は自分自身が納得して指導するため、です。

『一般的には、経験を通じて行動に持続的な変化が生じる、ないし行動パターンが変化する現象のことを学習と定義する[1]学びと呼ばれることもある。学校における学習は、広く明示された教育目的や教育目標などに基づいて教員が支援するものであり、学習者が主体となって進められる。』(ウィキペディアより)

私は、学習とは「同じ誤りを繰り返さないこと」と理解しています。生徒が主体的に学習を進める上で、同じ誤りを繰り返さないように支援するのが、私の役割であるとも言えます。当塾での演習、そして解説(指導)はこのために行うものです。