高校生の上級トレーニング

いかに高校生や優秀な中学生といえども、語彙力や文法知識がまだまだ不足している生徒に、いきなり長文の速読やリスニングをさせても、効果はまったく期待できません。この段階の生徒は、まず語彙習得と英文の構造理解が先決ですので、比較的平易な短文のリスニング・音読、そして全訳から始まり、中文の精読を経て、徐々に長文、難度の高い英文に挑戦させていくようにしています。ちなみに、語彙数と読解力の相関について言えば、100語の英文の中に、5語以上意味がわからない単語が含まれていると、読解不能という分析があります。徳島県公立高校入試の長文問題が、だいたい550語前後ですから、その英文の中の27語以上意味がわからなければ、得点は見込めない、ということになります。
さて、これらの力がかなり育っていると判断される生徒には、リスニング力と速読速解力の強化を目的として、独自のトレーニングを行っています。素材は、エッセイ、評論、文学作品など幅広いジャンルから選定しますが、使われている語彙に注意を払う必要が生じます。高校レベルをはるかに越えるような語彙が頻出するような英文では、いかに10,000語を有する生徒であっても、太刀打ちできないからです。手順について詳しくは書きませんが、これらを使って、リスニング・原文音読・訳し下し(英語の語順通りに和訳)させていきます。ボリューム的には素材1つにつき2,000~3,000語程度です。先般の安倍首相談話の英語版が、たしか1,600語くらいでしたので、相当な長文になります。ネイティブスピーカーが、150wpm (分速150語)で朗読しても、読み切るのに15分以上かかってしまいますから、一気に全文というわけではありませんが。高校生の場合、授業1回あたり100分~150分ですので、そのうちの20分程度を毎回このトレーニングに充てても他の学習時間を圧迫するようなことにはなりません。それどころか、これに慣れてくると、①問題文を全文読み切る習慣がつく。②返り読みの減少と、内容把握のスピードと正確さの向上 ③さらには要約問題の解答力向上(難解な要約問題は、全文を読んで深く理解するために、最低でも3回くらいは通して読まなければいけません。精読と速読両方の力、そしてもちろん国語力も要求されるわけです。)④英検準1級やセンター試験のリスニング問題が楽に聞き取れる聴解力、etc.etc. さまざまな面で顕著な効果が現れてきます。
このトレーニングは、TOEIC受験の大学生にも活用していますが、たとえ中学生、小学生であっても、これに耐えうるレベルに達した生徒には、積極的に活用していくつもりです。